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地域や業界の課題に向き合い
「日本一楽しい漁業」を実現する
2021年4月16日
中野えびす丸(岩手県大船渡市)
- 中野えびす丸(岩手県大船渡市)
〒022-0101
岩手県大船渡市三陸町越喜来字明神道19-4
船長 中野圭
https://poke-m.com/producers/261544
「漁業の担い手や水産品を食べる人を含めて、人と人がつながり広がっていく、日本一楽しい漁業をつくるのが目標です」
と話すのは、「中野えびす丸」代表の中野圭さん。中野さんは、岩手県大船渡市にある越喜来湾の崎浜漁港で漁業を営んでいます。
今回の記事では、中野さんがどんな想いを持って漁業を行っているのか、またどんな副業人材を求めているかをお聞きしました。まずは中野さんが取り組んでいる仕事の内容についてご紹介します。
中野さんの家系で長年受け継がれてきた、中野えびす丸。中野さんが家業を継ぐことになったのは、2011年3月に起きた東日本大震災がきっかけです。当時東京に住み、自らが起業した会社を経営していた中野さんは、支援物資の提供や炊き出しボランティアへの参加など復興支援に携わる中で「地元に戻りたい」と考えるように。そこで、2011年9月にUターンしました。
しかし、震災後すぐは漁業を行えるような状況ではなかったため、中野さんが漁業に本格的に携わり始めたのは2016年から。現在は5年目。両親と3人でホタテやホヤ、ワカメの養殖を行っています。
また、2020年からは加工食品の開発・製造・販売にも着手。同年12月に加工品ブランド「OKIRAI PREMIUM」を立ち上げ、第1弾として「ホヤのレアスモーク」の販売を開始しました。
「生のまま水産品を受け取っても、調理が難しかったり、消費期限が短かかったりして、家では食べづらいという人もいます。加工品にすることでより食べやすい形で消費者に提供できればと思い、OKIRAI PREMIUMを始めました」
すべては「より多くの人に水産品を食べてほしい」という中野さんの想いから。商品開発や流通、マーケティングなどそれぞれの分野の専門家がリモートで副業として関わり、プロジェクトチームを作って、事業を進めています。
「今は月に2回定例ミーティングを開き、ブランドの方向性の検討や新商品の開発を行っています。ただ仕事を受発注する関係性にならないように、メンバーの『やりたい!』と思う気持ちを大切にしてプロジェクトに取り組んでいます」
「RE:SiDE 副業レポート」でご紹介した小野寺さんはまさに中野さんがつくるチームの一員となって、事業に取り組んでいるメンバーのひとり
生産者としての仕事だけでなく、消費者のもとに水産品が届くまでをイメージしながら、事業を展開する中野さん。なぜ、これだけ様々な取り組みを行っているのでしょうか?
「それはいろんな課題を感じているからです。地域の課題、業界の課題に対して『やらなきゃいけない』、『こうしたい』と思うことがいっぱいあって動いています。自分で考えて動くことを続けていると、どんどん問題の根深さが見えてきますね」
中野さんが感じているのは、漁業の制度的な問題や仕事・水産品へのイメージに対する課題感。例えば、ホタテの貝毒へのイメージ。
貝毒とは、貝が毒を持った植物プランクトンを餌として食べることで体内に蓄積させる毒のこと。毒が蓄積される部位を食べない限り、人体に影響はないものの、貝毒の発生を原因に「認知の問題でホタテが食べられなくなってしまっている」と中野さんは話します。
「ホタテの貝毒は貝の病気ではないので、生育にまったく問題はありません。しかも、その毒素はタンパク質で、ホタテにとって有益なものだから味が良くなる。でも人間にとっては毒だから、毒って名付けられているんです。それで『ホタテが悪くなっている』と思われるのが嫌ですね」
「ホタテが毒を蓄積するメカニズムは、フグが毒を蓄積することと同じなんです。なので、ちゃんとした知識と技術を持って、調理すれば食べられる。しかもおいしい。それが全然認知されていない。でも、フグは毒を除去すれば食べられるものだと知られていますよね。だから貝毒をフグ毒と同じような存在にしたい。イメチェンしていきたいと思っています」
貝毒に対するイメージを変えていくために、中野さんは「いろんな形でのマーケティングが必要」といいます。
今回募集する副業人材はまさにこの「貝毒のイメージアップ大作戦」を中野さんと一緒に進めていくメンバー。
どんな人が向いていると思いますか?
「この取り組みは期間が決まっているものではありません。なので『いつ変わるか』、『いつ終わるか』を聞かれてもわからないんですよね。それを許容して関われる人だといいなと思います」
貝毒の問題の他にも、大きな課題・目標に向き合いながら漁業を行うからこそ、長期的な視点を持って関わる必要がある。そうした中で中野さんが求めているのは、「一緒に動く」こと。
「課題に対してどんなアプローチが有効なのかがわかっていないので、『こういうことをしてみたら』という考えがあると、すごくありがたいです」
「でも、アドバイスだけだったらいりません。それを一緒に考えて、動いていける人にきてもらえると嬉しいです」
最後に中野さんからメッセージを。
「大きな課題に向かっていくのに、正解はないと思っています。なので、どんどん『やってみよう』と考えたことを繰り返し続けていくことが必要です。そうした壁を乗り越えていく作業は、達成感もあって、おもしろい。そのプロセスをいろんな人達の力を借りながら、一緒に味わっていけるといいですね」
とても根深く、大きい、地域や漁業の課題解決に取り組む中野さん。その姿勢や考えは、決してネガティブではなく、とても明るく前向きな雰囲気を感じました。
水産品を通して、より多くの人に幸せを届けながら、自分自身もおもしろさを感じる仕事を続けていく。「日本一楽しい漁業」を実現する、中野えびす丸の一員にあなたも加わってみませんか。
求人情報
- 会社名
- 中野えびす丸(岩手県大船渡市)
- 仕事内容
- ・貝毒のイメージアップまたは逆手に取ったコミュニケーション戦略の策定と実施
・時期によってはワーケーション、短期バイトとして漁場での現場作業(希望する方はまずは気軽に応募ください)
- 条件
- ・契約期間:応相談
・報酬:応相談
・働き方:リモートワーク、現地訪問(現場作業含む)、それぞれご相談に応じます