求人募集終了
「面白さ」と「収益」の両立
常識にとらわれない仕事づくり
2020年8月28日
株式会社小友木材店(岩手県花巻市)
- 株式会社小友木材店(岩手県花巻市)
〒025-0075
岩手県花巻市花城町3-50
代表取締役 小友康広
http://www.otomoku.co.jp
新型コロナウィルスの感染拡大によって、働き方、生き方について考えた人も少なくないと思います。
世の中の課題も、常識も、変化し続けていく。
いろんな人と出会い、さまざまな価値観やアイデアに触れる経験は、きっとそんな正解のない時代を生きていく支えになると思います。
お話を聞いたのは、小友康広さん。
東京のIT企業で役員として、ヒットプロダクトの開発責任者を担当しながら、地元岩手県花巻市で6つの会社を経営しています。
新世代型木材店、街のエリアリノベーションなど、新しいアイデアを次々に生み出していく小友さんのもとで、副業人材を募集します。
小友さんのご実家は花巻市にある木材店。なぜ東京で就職活動をすることになったのでしょうか。
「もともと、僕は木材屋を継ぎたくて。だからこそ最初は右肩下がりの木材業界で働くのではなく、自分が中小企業の経営者としてやっていくために必要な力を付けられる会社を探していたんです」
「なかでも、無名の会社を大きくするという経験がしたかったので、当時50人規模の会社だったスターティアに就職しました」
入社当時はPowerPointも触れない状態だったそう。それでもその年の12月には、2千万円の開発予算を預かり、プロジェクトの責任者を担当。営業や開発のスキルを身に着けていく。
「大失敗も経験して。新卒4年目の時には、分社化してスターティアラボという新会社をつくる経験もしましたね」
30歳のときに、お父さんが他界し、実家の木材店の代表に就任。さらに月の1/3は東京でスターティアラボの仕事をするという、2拠点居住でのキャリアがスタートした。
その後、小友さんは生まれ育った花巻市に大きく関わっていくことになる。きっかけは「リノベーションまちづくり」や「家守」という手法を知ったことだった。
「駅前に築50何年の自社ビルがあって。解体して駐車場にでもしようかと見積りを取ったら2千数百万円かかることがわかり、放置していたんです」
「でも、うちのビル単体で考えれば限界があるけど、このビルを起点にエリア全体をリノベーションする、ということならできることがあるんじゃないか、やってみようと思って」
実際に、ビルのリノベーションが終わり、コワーキングスペースの運営を始めると、周囲に新しいお店が4軒でき、20人以上の雇用も生まれた。
2016年には花巻市のシンボルであり、惜しまれつつ閉店したマルカン百貨店の大食堂を存続させるため「上町家守舎」を立ち上げ、年間30万人が訪れるマルカンビル大食堂として復活。
地域を巻き込み、街が変わっていく様子を目の当たりにしたという。声を掛けられることも増え、気づけば6つの会社に関わるまでになった。
小友さんの話を聞いていると、業種・業態に縛られて、仕事を制限することがない。面白いと思ったらまずはやってみる、柔軟さを感じる。
東京で働き始めた頃と今とでは、モチベーションが違うのでしょうか。
「あまり変わらないですね。“世界で一番カッコいい木材店をつくる”、ということだけかな」
カッコいい木材店?
「Appleに入るかGoogleに入るか、小友木材店に入るか迷う人がいるような。僕は林業って、ポテンシャルがすごくあるのに、カッコいいと認識されていない産業だと思うんです」
「たとえば好きな素材ランキングで、木って布に続いて2位らしいんですよ。それに木材屋っていうとなぜかみんないい人だと思ってくれる(笑) つまり素材も業界に対してもイメージがいいのに、じゃあ働きたいですかっていうと誰も働きたくないんですよね」
確かに。自分の仕事にするというイメージはないかもしれません。
「でもやっていることは変わらなくても、テクノロジーを入れることでその産業のイメージや働き方ってガラッと変えられると思うんです」
そんな小友さんが、小友木材店と上町家守舎で今、力を入れているのは、テクノロジーとコミュニティを掛け合わせた事業。
まずは小友木材店。前提として、木が山から切り出されて消費者に届くまでの間に、一次~三次産業の工程がある。
一次産業は、木を丸太にして必要なところに届ける素材生産。二次産業は、丸太を柱や家具のパーツなどに加工する製材・加工。三次産業では、実際に商品として販売される。
小友木材店で力を入れているのは、一次産業と三次産業の部分。
「山から切り出した木を運ぶ林業機械は初期費用もランニングコストもとても高価なんです。そこで同じ花巻市にある、日本一の除雪機メーカーに依頼して、除雪機を改造した、安価で利用できる林業機械をつくっています」
特徴は、この機械を小規模な範囲で林業をしている人たちや、これから山に関わりたい人たちに貸し出し、その利用者同士のネットワークをWebやアプリを使って形成すること。
「たとえば10日間機械を使っただけで、大きな成果を上げている人がいれば、そのノウハウをオンライン配信して共有する。もっとこういう機能が欲しいという要望が出てくれば、メーカーに橋渡しをする。そうすれば、利用者も助かるしメーカーも需要が見えているから安心して新しい機械も開発できますよね」
「この仕組みがあれば、林業を本業にはできないけれど、カフェや農家やりながら、暇な時間に山に入って木を搬出して金を稼ぐとか、旅行に行ったときに各旅行先の山にネットワーク上の知り合いを訪ねてお手伝いするようなことも出来ると思います」
出費やリスクをできるだけ抑えて、一次産業の新しいあり方をつくる。さらに、その後加工してできたものを売らずに、シェアするというのも、小友さんの目指す新世代型木材屋の考え方。
「マルカンビルに、新しくおもちゃ美術館をオープンしました。木のおもちゃを大量生産して売るんじゃなくて、その空間をシェアすることによって入館料や活動に共感する人たちから寄付をいただく。コミュニティで運営していくことを考えています」
体験をシェアすることで採算を合わせることができたら、他の地域でもネットワークを構築し、木材屋が美術館事業を展開することもできるかもしれない。
上町家守舎では、空き家のオーナーと事業者をマッチングし、新たな事業者を呼び込むことで結果的にビルやエリアの価値を高めていく不動産転貸業や、一大ブランドとなったマルカン大食堂のグッズを地元の企業とコラボレーションしてつくるなど、街に根ざした事業が進んでいる。
一緒に働く人は、どんな仕事ができるのでしょうか。
「小友木材店では、林業機械導入のネットワークづくりを手伝ってもらうこともできるし、将来自分の地元でおもちゃ美術館を立ち上げたいという希望があれば、仕事を手伝ってもらいながら僕らのノウハウを伝える、ということもできます」
「上町家守舎では、ビジネスプロデューサーとして不動産転貸業を進めるとか、マルカンビルやその周辺の遊休空間を使った場所の仕掛けをするとか。イベント、商品の企画もありだと思います」
小友さんの持つネットワークやリソースを使って、事業を生み出す経験ができる。
ビジネスや経営に興味があるけれど、なかなか踏み出せないという人やお金がしっかり回る仕組みを知りたいという人にも、実力をつけるいい機会になると思う。
何より経営を学びつつ、やりたいことをどう伸ばしていくかというバランス感覚は、きっと小友さんのもとだからこそ養えること。
どんな人と一緒に働きたいですか。
「欲がある人がいいですね」
欲、ですか。
「ありがたいことにいろいろやってきたので、低リスクでうまく事業を進める仕組みは一緒に考えることができます。でもそれにはやっぱり自分でやりたい、やりきるっていう覚悟が必要だと思うので。方法はわからなくても、その気概がある人がいいです」
小友さん自身、自分の好きなもの、やりたいことを突き詰めて今があるのだとか。
「実家を中心としたエリアで事業を進めるのは、自分の部屋を拡張しているような感覚なんです。自分の部屋には好きなものを置きたいし、好きな人に入ってきてほしいじゃないですか。それに同じものを置いてもつまらないから、どんどんアップデートしていく」
「街をフィールドにすると、さらにいろんな人の好きなものが共存できると思っていて。僕はこうしたい、Aさんはこうしたいっていろんなアイデアが出れば、そこに思わぬ出会いも生まれるし。自分のリアルな部屋より拡張性があって楽しいですよ」
最後に、小友さんからメッセージを。
「別にここで働かなくてもいいんです。おもしろそうだな、こんなことやっているやつがいるんだなって思ったら、まずは話してみませんか。僕はいつでも歓迎します」
小友さんが健やかに働いているのは、自分から一歩を踏み出し、やるべきことを開拓してきたからなんだと思います。
思いついたら、まずやってみる。その一歩が、ここで見つかるかもしれません。
求人情報
- 会社名
- 株式会社小友木材店(岩手県花巻市)
- 仕事内容
- ・小友木材店の場合、林業機械導入のネットワークづくりやおもちゃ美術館の運営 等
・上町家守舎の場合、不動産転貸業の推進とマルカンビルやその周辺の遊休空間の利活用 等
・その他、副業人材側から事業提案も大歓迎
- 条件
- ・契約期間:応相談
・報酬:応相談
・働き方:リモートワーク可
・その他:定例MTGの実施